法定納期限と納期限 納期限と過去問

通関士試験通関士

どうも。ケニー(ケニー🚢第58回通関士試験チャレンジ中)です。このシリーズでは、通関士試験に合格するための知識や攻略法について、受験生目線でアウトプットしています。

通関士試験指導「みこ会」メンバーです。好きなお寿司のネタは、白貝です。

前回のふりかえり

前回は、貨物の地位と法定納期限をお届けしました。

今日は最終回で、「法定納期限と納期限 納期限と過去問」をお届けします。

今日のアジェンダ

  • 納期限の基本
  • 具体的な納期限
  • 納期限のまとめ
  • 過去問

納期限の基本

まずは、基本から説明します。

納期限の定義

関税法における納期限は、申告納税方式では、以下のように定義されています。

申告納税方式が適用される貨物を輸入しようとする者が、輸入申告に係る書面又は更正通知書に記載された納付すべき税額に相当する関税を、貨物を輸入する日までに国に納付しなければならないという期限

この定義は、外国貨物から内国貨物となる前に関税を収める、という基本的な目的を果たすために定められています。

税額と納期限の決定アプローチ

定義にもある通り、関税は「申告書に書いた税額」または「通知書に記載された税額」を納めるものです。

つまり、税額と納期限の決定には、2つのアプローチがあります。

  1. 輸入者自身が税額を計算し、申告に基づいて納税する方法
  2. 税関が納税者に対する税額を算出(もしくは自動的に確定)し、通知に基づいて納税する方法

輸入者自身が税額を計算し、納税するということは、納期限の猶予を与える必要はありませんよね。

一方で、税関が税額を決めて(もしくは自動的に)、輸入者に通知し納税するということは、納期限に猶予を与えた方が良さそうです。

ある日、通知書が会社に届いて「納期限は本日までです」だと、あまりにも不公平ですよね。

これが、納期限の基本です。 

具体的な納期限

それでは、具体的な納期限を見ていきましょう。法定納期限と一緒に解説します。

納税者が申告するばあい

納税者が申告するばあいは、猶予はありませんので、その当日が納期限です。

即納方式では輸入許可の日ですし、修正申告なら修正申告をした日です。担保を提供して納期限を延長すれば延長した日です。期限を超えてしまった特例申告は、期限後特例申告を提出した日です。

期限特例申告だけ、ちょっとイレギュラー(特例申告書の提出期限が納期限)ですが、どれも 「輸入者自身が行為を行った当日」 という、イメージが湧くと思います。 

税関から通知書が来るばあい

税関から通知書が来るばあいは、基本的に通知書が発せられた日の翌日から1か月の猶予が納期限に与えらえます。

決定や更正は、税関から通知される厳しいものです。2か月も3か月も猶予はもらえません。1か月でもありがたいと思うべきでしょうか。 

一定の事実が生じた場合に直ちに徴収されるばあい

そして最後に、納税の猶予が与えられず、「直ちに」関税を徴収されるばあいです。

直ちに関税を徴収される、ということは何か悪いことが起きた(した)としか思えません。

以下は、その例です。

  • 船(機)用品の積込承認を受けた貨物で、保税地域から引き取られたのに、指定期間に積みこまれない
  • 保税地域にある外国貨物が亡失し、又は税関長の承認を受けずに滅却された
  • 保税展示場の許可満了後、指定期間が経過してもまだ置かれてる
  • 保税運送の承認を受けて運送された外国貨物が、指定期間内に到着しない

このような一定の事実が生じた場合は、賦課課税方式(納付すべき税額がもっぱら税関長の処分により確定する方式)として、関税法で列挙されています。

この場合、税関から納税告知書が発送され、納税告知書の送達に要すると見込まれる期間を経過した日が、納期限になります。 

原則としては、納税告知書が発せられた日の翌日から起算して7日目です。

これ、試験によく出るので、押さえておきましょう。他の納税告知書と違って、1か月も猶予もらえません。。。

納期限のまとめ

以上で、納期限でした。

全体像は、このようになります。

もし暗記するなら、納期限は「自分で申告するばあい(青)」と「税関から通知が来るばあい(赤)」と「ヤバいやつ(語彙力・黒)」ですね。

過去問

いくつか、過去問を解いてみましょう。本来なら法定納期限と納期限のからむ延滞税の計算問題を取り上げたいですが、今回は関税法からの出題とします。

わたしなりに、ハイライトを付けてみました。

難易度★

令和2年度から第18問です。納税額を決定するのは誰かという基本です。 

難易度★★

平成28年から第1問です。いい問題ですね。満点を取らなければなりません。 

難易度★★★

令和5年から第7問です。これは捨て問レベルかもしれません。 

解説すると、

  1. 期限が旗日(国民の祝日)にあたるときは、翌日になります。
  2. 多く払い戻ししてしまった関税を取り戻すのは、賦課課税方式ではありません。単なる納税告知書です。
  3. 延長は、延長された日ですよね。
  4. 期限内特例申告ではあるものの、更正があるなら本来納税すべき関税の一部が申告できてなかったということ。つまり特例申告書の提出期限。
  5. 期限内特例申告の基本的な納期限です。

まとめとおまけ

以上で、「法定納期限と納期限 納期限と過去問」をお届けしました。

法定納期限と納期限を理解した先に、「法定納期限等」があります。

法定納期限は、主に延滞税の起算日ですが、法定納期限等は、賦課権や徴収権を行使できる起算日です。

原則として輸入する日(輸入許可日)ですが、法定納期限と同様に例外が5つあります。

例外の中で覚えておきたいのが、BP承認です。

BP承認の法定納期限は通知書が発せられた時ですが、法定納期限等は承認の日です。

平成29年に「法定納期限等」が出題されています。 

BP承認の法定納期限等が「承認の日」な理由は、課税物件確定の時期と同様に、税関目線で考えるとわかりやすいと思います。

次回は、未定です。

参考資料

このシリーズの目次 第57回

このシリーズの目次 第58回

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