【通関士】行政と行政手続

通関士

どうも。Kenny(tsujikenzo)です。このシリーズでは、 第57回通関士試験の合格を目指す 「【通関士】通関士をめざして2023」 をお送りしております。学習のアウトプットなどをしていきたいと思います。

今日は2回目で、「【通関士】行政と行政手続」をお届けします。

前回のふりかえり

前回は、【通関士】資格勉強の学習計画、をお届けしました。

今回は、【通関士】行政と行政手続、をお届けしします。

今日のアジェンダ

  • 行政と行政機関
  • 行政法と行政手続法

行政と行政機関

日本国憲法は、国会、内閣、裁判所の3つの独立した機関が相互に抑制し合い、バランスを保つことにより、権力の濫用を防ぎ、国民の権利と自由を保障する「三権分立」の原則を定めています。  

引用元:衆議院

なかでも行政とは、国家の統治作用のうち、立法・司法以外の作用の総称です。

行政法は、行政権の組織および作用に関する法の総称で、行政機関の組織や所管事項(権限)、行政機関と国民との関係を定めています。 

普段はあまり意識することはありませんが、「行政機関が免許を発行すること」と「免許をくださいと行政機関にお願いすること」について考えてみましょう。

車の運転と運転免許

たとえば、車を運転すること自体は、誰でも容易に習得することができますが、国道を走るときは全員で守るルールが必要です。命の危険があるからです。

運転免許を発行しているのは、都道府県に設置されている都道府県公安委員会という行政機関です。

運転免許には発行手順があり、試験に合格しなければなりませんし、有効期限があり、更新期限を経過したら失効しますし、道路交通法に違反したら免停になります。

運転免許の申請と交付

都道府県公安委員会(以降、公安)が運転免許(以降、免許)を発行する、という行政手続は、道路交通法(以降、道交法)または道路交通法施行規則(以降、道交法施行規則)で定められております。公安は、そのときの気分で免許発行要件を変更したり、賄賂を受け取ることで運転免許試験に合格していない人に免許を発行したり、できないようになっています。法治国家日本LOVEです。

免許(ここでは普通運転免許とします)を受けようとする者は、住所地を管轄する公安に、道交法施行規則第十七条で定められている免許申請書を提出し公安が行う運転免許試験を受けなければなりません(道交法第八十九条第一項)。免許申請書には、普通車講習終了証明書を添付しなければなりませんが、普通車講習終了証明書は、道交法第180条の2の第四項で定められた講習(教本、普通自動車、運転シミュレーター、視聴覚教材等必要な教材を用いて行うこと。)を受けた者に対して、公安が発行する書類です。免許は運転免許証を交付して行います(道交法第九十二条)。

行政法と行政手続法

まず、「行政法」という法律はありません。行政に関するたくさんの法律をまとめた総称です。

行政法は、行政作用法、行政組織法、行政救済法と、大きく分けて3つに分類されます。なかでも行政作用法は、行政機関が何を行うかについて定めた法律群です。

警察官の職務については警察官職務執行法が定めていますし、土地の収用については土地収用法が定めています。

そして、行政のさまざまな手続について定めているのが、行政手続法です。 

さきほどの「免許を発行する」といったルールの基本も、この行政手続法に定められています。

行政手続法の適用除外と個別の法令

なお、すべての行政手続が行政手続法で定められているわけではありません。特に、運転免許の場合は、道路交通法113条の2で、行政手続法の適用の一部(不利益処分をしようとする場合の手続)が除外されています。このように、個別の法令ごとに、それぞれの免許の発行やその他の規則が定められていることが多いので、詳しくは、個別の法令をご確認ください。

行政手続法の目的

行政手続法の目的は、以下の2点です。

  • 行政運営における公正の確保と透明性の向上を図ること
  • 国民の権利利益の保護に資すること 

行政の手続が法律で明確になっていて、しかも国民の利益を守るためだなんて、国民として安心します。日本LOVEです。

行政手続法の対象とされる行政活動

行政手続法では、以下の4つの行政活動について定めております。

  • 処分
  • 行政指導
  • 届出
  • 命令等を定める手続き 

それぞれ、言葉の定義を確認しておきましょう。ここでは意味を理解しなくても大丈夫です。

単語法令説明
処分行政手続法第2条第2項行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為をいう。
行政指導行政手続法第2条第6項行政機関が一定の行政目的を実現するため特定の者に行為を求める指導、勧告、助言など。
届出行政手続法第2条第7項行政庁に一定の事項の通知をする行為。
命令行政手続法第2条第8項法律に基づく命令や規則を指す。
申請行政手続法第2条第3項行政庁の許可、認可、免許などの利益を求める行為。

まとめ

以上で、【通関士】行政と行政手続、をお届けしました。

この行政の手続を理解しているかどうかで、税関長に対する申請、税関長による許可確認などを本質的に理解できるかが分かれてきます。ひたすら暗記するより効率もいいですよね。

次回もお楽しみに。

参考資料

このシリーズの目次

タイトルとURLをコピーしました