どうも。Kenny(tsujikenzo)です。このシリーズでは、 第57回通関士試験の合格を目指す 「【通関士】通関士をめざして2023」 をお送りしております。学習のアウトプットをしています。
今日は15回目です。通関士試験指導「みこ会」メンバーです。好きな回転寿司の一番高いネタは、ウニです。
前回のふりかえり
前回は、【通関士】課税物件確定の時期と適用法令、をお届けしました。
今日のお話は、前回の続きです。
関税を徴収しなければならなくなったら、いったい誰が払うと公平なのか、というお話です。
今回は、【通関士】納税義務、をお届けしします。
今日のアジェンダ
- 納税義務者とは
- 例外的納税義務者のポイント
納税義務者とは
原則的に考えると、関税を納付するのは、貨物を輸入する輸入者です。
しかし、課税物件確定の時期と適用法令にもあったように、保税地域で外国貨物が亡失したり、保税展示の期間を決めてるのに守らなかったりしたばあいは、関税を徴収しなければなりません。
そのようなばあいは、輸入者ではなく、保税地域の許可を得た者(外国貨物に対して責任があるという意味でしょう) や、輸入許可が下りる前に使用や消費した者が、関税を払った方が公平な考え方だよね、ということです。
特別納税義務者
輸入者以外が、納税義務者になるパターンは2つです。
- 連帯納税義務者
- 例外的納税義務者
連帯納税義務者
連帯納税義務者とは、通関業者が輸入者と連帯して納税義務を負う仕組みです。
通関業法でも習ったとおり、通関業者は、その業務の(イ)を図ることにより、(ロ)その他貨物の通関に関する(ハ)の(二)を確保することを目的とします。通関業法第1条
- イ.適性な運営
- ロ.関税の申告納付
- ハ.手続き
- 二.適性かつ迅速な実施
これはわたしの個人的な感覚ですが、そんな通関業者が輸入者の居所が不明だったり、委託したものを明らかにできないばあいは、連帯責任を負ってもしかたないよね、という解釈なのではないでしょうか。
例外的納税義務者
輸入者でもなく、通関業者でもなく、例外的に納税義務者になる者がいます。
この例外パターンが非常に多いので、次の節で解説します。
例外的納税義務者のポイント
例外パターンが多い理由は、課税物件確定の時期と適用法令で紹介したように、関税を徴収しなければいけない、または関税を徴収すべき事由が生じるパターンが、あまりに多いからです。
- 保税地域にある外国貨物が亡失した
- 保税工場外作業の指定期間が経過した
- 特定保税運送貨物が発送の日の翌日から起算して7日経っても運送先に到着しない
- などなど
すべてのパターンを暗記していては大変です。
押さえるポイントは、3つだけです。
- 許可や承認が必要な保税地域や外国貨物に関して、関税を徴収すべき自由が発生したばあいは、その許可や承認を受けた者
- 外国貨物を輸入前に使用や消費した者や、特定用途などでせっかく減免税を受けて輸入したのに譲渡した者、張本人や悪い人
- 災害などのやむを得ない事情がある、または税関長の承認を受けて滅却したばあいなどは、納税義務は発生しない
1.許可や承認が必要な保税地域や外国貨物
外国貨物を保管するために許可を取っている場所(保税地域)で、外国貨物が亡失するわけですから、保税地域の許可を受けた者が、責任を負います。
おなじように、外国貿易船に外国貨物である船用品を積み込もうという承認を受けたのに、指定期間に積み込まれないわけですから、積込みの承認を受けた者が、責任を負います。
貨物を触っている者や管理している者ではない、というのがポイントです。
ただし、2点だけ例外があります。
それは、指定保税地域に保管されている外国貨物が亡失したばあいです。国が管理している指定保税地域って、めっちゃ広くてでっかくて、たっくさんの倉庫業者や乙仲業者が、貨物を管理しているはずです。そんな中で亡失した貨物の責任をすべて指定保税地域に負わせていたら大変なことになります。
なので、指定保税地域だけは「外国貨物を管理している者」が、納税義務者になります。
もう1つは、特定保税運送貨物が発送の日の翌日から起算して7日以内に運送先に到着しないばあいです。あまり調べてないのでわかりませんが、恐らく特定保税運送者は、それなりの責任を負いますので、不着や延着があったばあいは、特定保税運送者が、納税義務者になるのではないでしょうか。
2.外国貨物を輸入前に使用や消費した張本人や譲渡した悪い人
これは言葉通りですが、外国貨物を、輸入許可が下りる前に、使用したり消費した者は、納税義務者になります。
あと、特定用途として免税を受けて輸入したのに、用途外用途に供したり、譲渡したら、それは悪い行為ですよね。
なので、譲渡した者が、納税義務者になります。
ただし、「みなし輸入」の項でも学んだように、ほとんどのばあいは、保税地域で外国貨物の使用または消費の認証を受けているはずですし、外国貨物の船用品を本来の目的にしたがって使用するばあいは、輸入とはみなされません。
旅客または乗組員が、携帯品である外国貨物を個人的な用途に使用または消費するばあいも同様です。
3.災害などのやむを得ない事情
さいごは、注釈のような感じですが、税関長も鬼じゃないです。
災害などのやむを得ない事情があったり、あらかじめ税関長の承認を受けているなら、納税義務は発生しません。
全体像はこのようになります。
まとめ
以上で、【通関士】納税義務、をお届けしました。
本邦と外国との間とを往来する船舶の乗組員がその携帯品である外国貨物を輸入する前にその個人的な用途に供するため使用したばあいには、もちろん、納税義務は発生しないのですが、これを「みなし輸入の例外」と呼ぶようです。
いまは理解できますが、これを始めて聞いたときは、ちんぷんかんぷんでしたね。
次回もお楽しみに。