どうも。つじけ(tsujikenzo)です。このシリーズでは「[OKR]目標は70%ぐらいを達成しよう」を、お送りしております。今日は最終回です。
前回のおさらい
前回は、「3.主要な結果(Key Result)」をお届けしました。
今回は、「4.OKRのすすめ方」を、お届けします。
今日のアジェンダ
- OKRのすすめ方
- スプリントスケジュール
OKRのすすめ方
これまで、OKRの全体像と、オブジェクティブとKRの設定についてお話してきました。
実際に、OKRのすすめ方をご紹介します。
全体スケジュール
弊社では、四半期を1区切りとして、OKRをまわします。(開始時期は組織によって異なります)
弊社は、4つの期間を区別していませんが、業種によって、組織のリソースを考慮(繁忙期を避けるなど)した方がいいばあいもあるでしょう。
期間中のOKRは、いくつあっても構いません。そのかわり、オブジェクティブの変更は行いません。
社内同意が取れたばあい、OKRを破棄することはあります。
単体スケジュール
OKRは、突入するまえに、オブジェクティブとKRの設計が完了していなければなりません。
以下のように、2月1日から3か月のOKRが始まるなら、1月中にオブジェクティブとKRの決定をしておかなければならないということです。
つまり、1年で4つの期間を回したいのであれば、実際には2.5~7カ月程度しかないということです。
期間の終盤では、OKR全体の振り返りが必要なため、実稼働は2.5カ月ぐらいしかありません。
そうなると、実稼働できるのは11週程度になります。
スプリントとステージ
KRの確認と、振り返りをおこなう単位を「スプリント」と呼びます。
弊社では、スプリントを1週間に設定しています。(2週間でやる組織もあると思います)
3か月は、11スプリント程度あります。これを3ステージにわけて、各スプリントに特徴を持たせています。
ステージ名 | スプリント数 | 特徴 |
---|---|---|
ファースト | 3 + 1 | 数をこなす |
ミドル | 3 + 1 | 選択と集中 |
ファイナル | 3 + 1 | ブレイクスルーとNext OKR |
振り返り | 1 | LTを行い、評価をする |
各ステージには、必ず予備スプリントを挟んでいます。
- 【ファーストステージ】 チャレンジングで、トライアンドエラーの数をこなすようなステージです。仮説はあくまで仮説にすぎません。多くの材料は今後の判断をラクにします。とにかくやってみましょう。
- 【ミドルステージ】 ファーストステージで得た教訓が生かされるステージです。選択と集中を行います。オブジェクティブと適切に向き合っているか、よそ見をしたくなるOKRが発生していないか、注意しましょう。
- 【ファイナルステージ】 ミドルステージでブレイクスルーがもたらされている可能性が大きくなります。オブジェクティブに最大の価値を提供できる活動に集中しましょう。
- 【振り返り】 OKRをクロージングする準備をしましょう。資料をまとめ、LTを行います。OKRの評価はツール上で行います。
スプリントスケジュール
スプリントは、月曜日(祝日の場合は、次の営業日)にチェックインを行うことからはじまります。
弊社では、チェックインは、SlackBotに続いて投稿します。
スプリントは、金曜日(祝日の場合は、前の営業日)にレビューを行って終了します。チェックイン同様に、レビューは、SlackBotに続けて投稿します。
チームによっては、デイリーでチェックインを行うこともあるでしょう。メンバー同士でよく話し合って決めましょう。
スプリントチェックインとレビューの評価
スプリント単位でOKRを行っていくと、月曜日と金曜日の過ごし方に変化が現れます。
月曜日はチェックインを行ったら、「なにも考えずにタスクをこなし始められること」が大切です。
いっぽう金曜日は、振り返りをおこない「タスクをこなせたかどうか」を評価して、次週につなげることが大切です。(個人的には金曜日のレビュー時に、月曜日のチェックインの準備をしてしまいます。時間を空けてしまうとリカバリーコストが発生するので。。。)
曜日 | 特徴 |
---|---|
月曜日 | スタートダッシュ |
月~水曜日 | ペースキープ |
木曜日 | 予備日 |
金曜日 | 振り返りとチェックイン準備 |
このテーマの音声配信がありますので、参考にしていただければと思います。
#36[personal]月曜日と金曜日で働き方を大きく変える
Next OKR Inbox
OKR中に、どうしてもやりたくなってしまう新しい行動や、試したくなる技術が、誰にもあります。
そのようなばあいは、まず、普段のコミュニケーションの中で、チームメンバーにシェアしましょう。雑談のなかで、現OKRを変更するほどの価値があるかどうかを見極めます。(ほとんどのばあいは、価値がありません。隣の芝生が青く見えるだけです。)
また、そこまで価値がないとしても、いずれやったほうがいいこともあります。そのようなアイディアは、「Next OKR Inbox」 というメモ帳を作成して、残しておきます。
そして、OKRがファイナルステージを迎えるころ、チームでNext OKR Inboxのお披露目会を行います。これは、Termの最終週に行っていては遅い、という判断からです。
ファイナルステージは、オブジェクティブの達成にむけて、その精度が上がっており、「やらないけど価値がありそう」という手札も増えている時期です。そのような時期にメンバーと情報交換を行うことが最適です。
OKRと評価
最後に、OKR全体の評価です。
LT大会
弊社では、最終スプリント週の1週前の金曜日に、結果発表LT大会を行います。
10人以内のちいさな組織なので、全員が発表を行います。
自分へのご褒美も大切です。好きな食べ物を用意してもらい、ワクワクしながら参加してもらいます。
OKRは、70%ぐらいを達成できていることが望ましいです。OKRがチャレンジングであったことを称えあいましょう。
OKRの評価と人事評価
そして、OKRの目標達成度は、人事評価とはつながらないことをお伝えしてきました。
しかしながら、継続的なパフォーマンスを出すためには、OKR、対話とフィードバック、報酬と評価の3つが、絶妙に重なり合う必要があります。
弊社では、100%以上の結果を残すためのノウハウは得ていませんが、いろんなツールに手助けしてもらいながら、取り組んでいきたいと思います。
まとめ
以上で、「4.OKRのすすめ方」を、お届けしました。
会社や組織のビジョンと、働くひとの日々の活動を一致させることは、効率や生産性向上の目的だけではなく、「われわれがなぜチームとして働いているのか」 を教えてくれるものだと思います。
いままでは「目標を設定することは、いつ休むか決めること」と思っていました。
しかしながら、OKRを1年間やってみて思うことは、「目標を共有して認め合うことは、自分という存在を超えた大きくて大切なもののために働いていることを実感する」 ことだということです。
2022年10月、現メンバーと一緒に働いていることに、改めて感謝します。