【通関士】通関書類の作成および通関実務の学習ポイント

通関士試験通関士

どうも。Kenny(tsujikenzo)です。このシリーズでは、 第57回通関士試験の合格を目指す 「【通関士】通関士をめざして2023」 をお送りしております。学習のアウトプットをしています。

今日は6回目です。

前回のふりかえり

前回は、【通関士】通関士の役割と税関長の許可・承認、をお届けしました。

今回は、【通関士】通関書類の作成および通関実務の学習ポイント、をお届けしします。

業法、関税法はなんとかクリアできそうだけど、実務分野が苦手、という方向けの記事です。

留意事項

この記事では、試験の出題範囲や出題傾向、パターンなどについて言及しておりますが、試験に大幅な改定がないことを前提としております。

関連する法改正などは頻繁にあり、試験も常にアップデートしていますので、解答の際は、必ず試験問題をよく読まれるよう、ご留意ください。

今日のアジェンダ

  • 通関実務とは
  • 実務分野の出題形式
  • 実務分野の試験対策

通関実務とは

通関士は、輸入・輸出の際に関税、税、その他の規制に関して適切に申告や手続きを行う専門家であり、その役割は非常に重要です。

実際の通関手続きに関連する「通関実務」には、以下のような業務が含まれます

  • 関税法や関税率表の適用:輸入される商品の分類や評価、原産国の判断など、関税の計算に必要な情報を適切に適用すること。
  • 関税や消費税などの税金の計算:輸入商品に対する関税や消費税等の税金の正確な計算。
  • 輸入・輸出申告書の作成・提出:商品の内容、数量、価格等の詳細を税関に申告するための書類の作成や提出。
  • 各種証明書の取得・添付:特定の商品や取引に必要な証明書や許可書の取得や税関への提出。
  • 禁止・制限品に関する手続き:特定の輸入・輸出が禁止されている商品や、制限を受ける商品に関する手続き。
  • 税関との折衝:税関の検査や問い合わせに対する対応、また税関との交渉や折衝。

通関士試験では、上記の通関実務に関連する、知識や技能を問うための出題がされます。

試験の押さえどころ

とはいえ、試験では、「税関との折衝に関する知識」を問われることは、ほぼなさそうです。

過去問などを見渡したところ、以下の3点に重きが置かれているようです。

  • 関税法、関税率表の理解
  • 関税、消費税などの税金の計算
  • 輸出入申告書の作成

とくに、関税に関しては、税理士でも扱うことができない、通関士として税の専門分野になります。

NACCSでは、自動計算がある程度なされるようですが、士業として知識や技能を問われる試験なので、力を付けていきましょう。

実務分野の出題形式

試験の出題形式は、大きく分けて以下の4つです。 

試験問題も、この出題形式に対応しています。(※関税率表の所属の決定は、第3~17問で1~4問程度出題されているようです) 

輸出申告書の作成

輸出申告書の作成における出題形式は、輸出申告書(NACCSを想定)の、輸出貨物ごとの①輸出統計品目番号 を解答することです。 

輸入申告書の作成

輸入申告書の作成における出題形式は、輸入申告書(NACCSを想定)の、輸入貨物ごとの①品目番号と ②課税価格 を解答することです。 

関税額と課税価格の計算方法および関税率表の解釈に関する通則と関税率表の所属の決定

ここ(長いので省略)の出題形式は、複数選択式計算式択一式で解答することです。

複数選択式

とある項目(下図の文における黄色ハイライト)において、正しいもの、もしくは誤っているものを選択する(赤色ハイライト)問題です。  引用:法律資格合格応援サイト 資格の学校TAC

計算式

とある項目(下図の文における黄色ハイライト)において、税額など(青色ハイライト)を計算して解答する問題です。  引用:法律資格合格応援サイト 資格の学校TAC

択一式

とある項目(下図の文における黄色ハイライト)において、正しいもの、もしくは誤っているものを1つだけ(もしくはゼロか)を選択する(赤色ハイライト)問題です。  引用:法律資格合格応援サイト 資格の学校TAC

関税率表の所属の決定は、複数選択式、択一式どちらでも出題傾向があるようです。そして、出題数は増える傾向にあるようなので、とても重要です。

出題形式のまとめ

このような 

実務分野の試験対策

通関書類の作成および通関実務は、通関業法として成り立っている通関士として実務にあたる、ということになると思います。

なので、通関業法からの出題は、ほぼないと思います。

大きく分けて、以下の2つが出題範囲だと思います。

  • 通関実務に関わる税
  • 関税率表の知識

通関実務に関わる税

前述のとおり、通関士は、通関実務に関わる税のプロを目指すわけですが、税も無限にあるわけではありません。

テキストや過去問を眺めてみると、以下のように整理できそうです。 

それぞれの税額または課税価格は、要件が定められていますし、計算方法も決まっています。

税に関して言えば、出題範囲はこの5パターン程度です。その他の税について問われる可能性もゼロではありませんが、まずこれらを理解してしまえばいいとわたしは考えます。 

試験対策としては、1つの税に対して、以下の手順で学習するとよいでしょう。

  1. テキストを読んで法律や定義を理解する
  2. 計算方法を理解する
  3. 適度な量の模試や過去問を解く

これを5パターンやる、ということですが、「消費税なら得点取れる!」という風に、1つずつ自信を付けることが大切です。

関税率表の知識

通則に関しては、語呂合わせもあるように、まず覚えてしまうことが大事です。 引用:日本関税協会 通則の覚え方

通則から、正しい品目分類を導きだすということが重要です。

なので、97類の品目分類をすべて頭の中に叩き込む、というのは、学習効率が悪いかもしれません。

しかしながら、日常生活において、輸出入貨物になりそうなアイテムを見かけたら、分類を考えてみるというのは、学習の関与度を高めるいい効果がありますのでオススメです。

数年前に、Twitterで品目をつぶやくとHSコードを返してくれる方がいましたが、お名前を失念してしまいました。あの方はいまも活躍されているのでしょうか。

まとめ

以上で、【通関士】通関書類の作成および通関実務の学習ポイント、をお届けしました。

実務は、細かいところまで知識を問われますし、端数処理などの小さなミスが1つでもあると得点が取れない分野です。

また、問題を読み解く国語力も問われますので、学ぶことが無限にあるような、心が折れやすい分野かと思います。

出題範囲や出題形式を体系的にとらえ、学習ロードマップを確認し、1つずつ自信を積み上げていきましょう。

次回もお楽しみに。

このシリーズの目次

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