どうも。つじけ(tsujikenzo)です。このシリーズでは、2022年5月から始まりました「ノンプロ研インストラクション講座1期」について、全6回程度でお届けします。今日はDay5です。
前回のおさらい
前回は、「空間と時間の設計」についてお届けしました。
今日は、「メインアクティビティとカリキュラム」についてお届けします。
今日のアジェンダ
- メインアクテビティ
- カリキュラムの作成
メインアクテビティ
メインアクテビティは、2つの項目に注意します。
- 90/20/8の法則
- 時間管理
90/20/8の法則
学習の3つのメカニズムで、「認知主義」の勉強をしました。
- 行動主義 -刺激と反応の繰り返し-
- プログラム学習(ドリルや写経やクイズなど)
- 認知主義 -人の脳をコンピュータに当てはめて人間の知的振る舞いを考える-
- 知覚器官、前頭前野、海馬などの働きを意識して行う学習
- 状況主義 -社会的・文化的な状況への参加とそれによる変容-
- 組織に参加、実践を行うなどの社会的事象による学習
脳には、有効な学習時間の法則があります。これを超えるばあい、対策をとる必要があります。
時間 | 有効範囲 | 対策 |
---|---|---|
90分 | 脳が集中をキープできる | 休憩を入れる |
20分 | 記憶を保持しながら話を聞くことができる | 演習や質疑応答を入れる |
8分 | 受け身な状態で興味を持ち続けられる | Tweetやホワイトボードを活用する |
質問のテクニック
とくに今日の授業で参考になった(他のメンバーも言ってました)のが、「質問」のテクニックです。
質問には、Yes/Noで答えられる「クローズドクエスチョン」と、5W1Hを使った「オープンクエスチョン」があります。
わたしは、インターネット回線の営業の電話が掛かってきて、最初にオープンクエスチョンをされるのが苦手です。
まず「このまま話を続けていいか」という意思確認をすべきでしょう。お互い日本語の通じる日本人だもの。
と、いうことで、Yes/Noで答えられる「クローズドクエスチョン」には、「意思疎通のハードルを下げて講座(対話)に参加を促す」 という効果があります。
講座開始時の呼びかけは、「今日、お腹痛い人いませんよね?」でもいいのです。
受講生に、手軽な参加の機会を与えましょう。
「オブジェクトリテラルって{}で囲むんでしたよね?」という、クローズドクエスチョンを使った参加の促しも効果があるようです。(special thanks @NAOP4P4)
逆に、20分に1度くらい、自我関与を高める省察(せいさつ)として、「みなさんはどんな場面で使うと思いますか?」などの、オープンクエスチョンを投げかけてみましょう。
また、「講師として、すべての質問に即座に答えられないといけない」という不安があるかたは、思い込みですので改めましょう。
「ごめんなさい、ちょっと今すぐには解答できません。後で調べて共有します。」で、OKです。講師や講座の評価は下がりません。
むしろ、その素直さ正直さで、講師や講座に親近感をもってもらえるかもしれません。
時間管理
時間は参加者のものです。終了予定時刻を1分でも過ぎると、参加者の集中力は途切れてしまいます。
講座終了間際に、情報を詰め込んでも、あまり参加者の記憶に残るとは言いづらいかもしれません。
しっかりリハーサルをして望みましょう。そのさい、質疑応答や写経時間による時間調整を設けておくとよいでしょう。
ターゲット
受講生のレベルを一定に保つことは、とてもむずかしいです。
写経が早いひともいれば、遅いひともいます。では、どのレベルに合わせるのがいいのでしょうか。
それは、講座の設計時に定めた 「ターゲットに合わせる」 です。
受講生のレベルが、ターゲットより低いばあいは、プロービング(事前課題など)で見つけて個別に対応します。
ターゲットより高いばあいは、ケアを十分にしなくても講座が破綻するようなことはありません。
わたしの気付きですが、わたしの講義は「ちなみに裏側はこうなっています」とか「補足ですが、将来的にはこういうことを学びます」などの情報が多くなりがちです。
これは、できれば避けたほうがよいでしょう。
受講生の満足度をあげるどころか、かえって受講生を置き去りにしてしまう欠点があると思いました。
「レベルの高い受講生の満足度をあげよう」という気持ちもわかりますが、できるだけ 「レベルの低い受講生に満足してもらおう」 にフォーカスしましょう。
レベルの高い受講生には、「すでに理解されている方は、上級にチャレンジしてみましょう」のような、ストレッチ目標を提供するとよいでしょう。
カリキュラムの作成
ノンプロ研ライティング講座では、「文章をラクに書くためには、次に何をどう書くのか選択肢を減らせばよい」というテクニックを学びました。
- 素材を集める
- ターゲットを決める
- 構造を考える
- 作法を知る
インストラクション講座では、以下の手順をふむと、カリキュラム作成がラクになります。
- アウトライン作成(ターゲットの再確認)
- タイムテーブルへの落とし込み
- 演習を追加
- 素材を集める
- スライド作成
文章の素材は、集めてグルーピングするとそのまま文章になりますが、講座の素材は、あくまでカリキュラムを補佐するものという違いかなと思いました。
大切なことは、「ターゲットを決めて、ターゲットが最短距離でなるべき姿になってもらう」 ということです。
基礎を最初にやる意義
学習における基礎は、退屈で、満足度を得づらい学習の対象です。
しかし、基礎は、学習が進むにつれて多くの知識を関連づけできます。
また、繰り返し登場するので、反復にもなります。基礎学習は苦痛なので、適度な負荷にもなっています。
じつは、基礎を最初に学ぶことは、8つの学習の原則の3つを実践することになるのです。
基礎学習の段階では、残りの5つの原則(参加型や学習共同体やエンパワーメント)を、運営側から提供することを意識した方がいいと思いました。
考える問題などは、宿題にするといいでしょう。
既存教材からの素材集め
このセクションは、目からうろこでした。
わたしが作ろうとしている講座は、世の中にないものです。世の中にないから、わたしが作ろうと思っています。(たぶんみなさんもそうだと思います)
しかし、本当に、世の中にないのでしょうか?
書籍、Youtube、Udemy、Linkedin learning、論文検索など、ありとあらゆるフォーマットで検索してみましょう。
きっと、あるはずです。(はい、実際にありました。)
ただし、既存の教材は、わたしが作りたい講座と100%一致しているわけではありません。
ターゲットにとって、どのような構成になっていたらいいのかは、わたしにしか決められないことです。
丸パクリは、できないはずです。
まとめ
以上で、「メインアクティビティとカリキュラム」をお送りしました。
実は、まだ作りたい講座を発表していません。。。
宿題をまったく提出していないということです。。。
わたしは、1期を卒業できるのでしょうか。
次回は、「卒業LT(予定)」をお送りします。