どうも。つじけ(tsujikenzo)です。このシリーズでは「ノンプロ研定例会 vol.51 あなたのスキルが爆上がりする!ペアプロによるノンプログラマーのお悩み解決」について全3回でお送りします。今日は3回目です。
前回のおさらい
前回は、「ノンプロ研ペアプロ部が誕生した背景」についてお届けしました。
今回は、 「ペアプロを体験してみよう」 をお届けします。
※定例会では「ノンプロ研ペアプロ広場の使い方」というセクションがありましたが、コミュニティ内のお話なので割愛させていただきます。
今日のアジェンダ
- コミュニティにコミットしよう
- ペアプロ経験者の声
- 心理的なハードル
コミュニティにコミットしよう
ノンプロ研は主にSlackで活動しておりますが、アクティブなメンバーが多く、チャンネルや発言も多いです。
最近知ったのですが、送信されるメッセージ数は平均250件/日だそうです。
質問してみよう
入会してまもないメンバーは、 「どこで質問したらいいかわからない」 という悩みを抱えるかもしれません。
ノンプロ研には、2つの質問チャンネルがあります。
- 今更なことを質問していいチャンネル
- その他の質問
言語別のチャンネルもありますので、特定の言語の質問はこちらがオススメです。
- vba_office
- gas_workspace
- python
- powerquery
コミュニティへの貢献
先日の定例会でも発表されていましたが、コミュニティでは、助けの求めも「貢献」になります。 出典:ノンプロ研定例会 vol.50 祝160名突破!安心安全で熱量の高いコミュニティをつくる秘訣
自分が抱えている課題や悩みは、コミュニティの資産です。
質問をすることは、回答するために他のメンバーの時間を奪ったり、借りを作るような行為にはなりません。
それでも、質問すること自体がハードルが高いなぁと思ってるかたもいると思います。
部活に入ろう
そんなあなたにオススメなのが、「部活」です。
ノンプロ研には、プログラミング以外にも、グルメや映画やゲーム好きが集まる部活があります。
わたしが知っているだけでも40個ぐらいありますが、「闇のスイーツ部」など極秘に活動している部もあるので、把握しきれていません。
質問のハードルが高いひとでも、得意なジャンルなら、お話できるかもしれません。
ぜひあなたの得意ジャンルのお話を聞かせてください。他のメンバーもとっても興味があると思います。
イベントドリブン
ペアプロだけに限らず、なにかイベントが開催されるとなれば、人はそれに向けてがんばる習性があります。
イベント自体が仕事や学習のやる気スイッチになることを 「イベントドリブン」 と呼びます。
イベントドリブンによる学習
- 目標を自分で決めるのはむずかしい
- 期限があるものは優先的に手が動く
- 仲間がいるのでがんばれる
- 特別なアウトプットになり記憶する
みなさんは、せっかくお金を払ってコミュニティに参加しています。
講座だけでなく、ペアプロや部活に参加して、イベントドリブンで学習のモチベーションを高めていきましょう。
ペアプロをやる前とやった後の変化
定例会では、何名かに「ペアプロをやる前とやった後の変化」について、スライドを紹介させていただきました。
その一部をご紹介します。
Aさん
【こんなことに困っていた】
- ノンプロ研のSlackメッセージ削除スクリプトを作らないと行けないけど大変
- スクリプトをクラス化して、できればドメイン駆動設計で書きたい
【ペアプロのイメージ】
Eatuさんに助けてもらう
【その他ご自由に】
ちょうど定例会でDDDがあったあとでタイミングもよい
【ペアプロをやった後のわたし】
- 無事に完成!しかしスクリプトの分量が多かったので、結局3回ペアプロした
- Etauさんがリファクタリングした部分の半分も理解できなかったが、個人的に得るものは多かった
- 特にどこがわかってどこがわからないか明確になった
- わからなかったところもコードが残っているので、あとで振り返り可能
- 独学だと何倍もの時間がかかったと思います。
Bさん
【こんなことに困っていた】
- そもそもド素人・・・(T_T) ネットから意味わからないままコピペ、動いたらYEAHHHHH!!!
- V8以前の書式と、V8以後の書式、ごっちゃ混ぜ。クラス系の書式が特にゴチャゴチャ。アロー関数?
- 1週間で書いた5000行、方向性が間違っていたと2週間後に気づいて絶望(T_T)
【ペアプロのイメージ】
みんなの前で即興プログラミング・・・無理無理無理ぃいいい
【その他ご自由に】
正直、ペアプロ怖い・・・。でも、なんでも挑戦したがる性格なので、一回だけやってみました。
【ペアプロをやった後のわたし】
- ペアプロ → 公開プログラミングの恐怖は間違いだった。たしかに汗はかくけど(^o^)
- ツジケさん優しい。たぶん(予想ですが)ペアプロ付き合ってくれる人みんな優しい。
- ペアプロ → 手取り足取りの個別レクチャー。しかも自分のやりたい課題に付き合ってくれる。
- 1on1なので、質問しないわけにはいかない。講座だと気後れして質問しない人も多いのでは?
- 正直、講習も素晴らしい学びだけど、ペアプロはスゴイ。
- ギャラリーも、レベルの高い&専門性の高い人達が多くて、みんながアドバイスしてくれる。
- 1on1の講習どころか、10on1の講習です。お金払ってやってくれるなら、払います。
Cさん
【こんなことに困っていた】
パワクってなんだろう? WEBで調べてもなんかいまいちイメージが湧かない
【ペアプロのイメージ】
- いくら皆さん優しいとはいえ、時間を割くのは申し訳ない
- 誰に頼んでいいのか分からない
- ていうか、どうやって頼むの?なにを頼むの?
- 私のレベルじゃペアプロして頂くにも、低すぎて申し訳ない。(手応えゼロ
【ペアプロをやった後のわたし】
- keitaroさんにお声がけ頂けなかったら、ずっと誰に頼めばいいのか分からず、一歩踏み出せさせて頂けて感謝してます!
- 実際に動画で(オンラインで)教えてもらえるなんて、こんな贅沢なことはなく、理解度が半端ない!!!!
- でも、パワクだけじゃなくてGASもやりたいので、図々しいのですが….もっとペアプロやりたいです….!(実はよくばり)
いかがでしょうか。
個人的には、
「独学だと何倍もの時間がかかったと思います。」
「講座だと気後れして質問しない人も多いのでは?」
「実際に動画で(オンラインで)教えてもらえるなんて、こんな贅沢なことはなく、理解度が半端ない!!!!」
という感想がとても印象的でした。
心理的なハードル
前述のように、ペアプロは、1度経験すれば、その良さに気付くことができます。
しかし、その1度の経験に、高いハードルがあるのも事実です。
先日の定例会では、日本人には 「ウチとソト」 の文化があることを紹介されていました。 出典:ノンプロ研定例会 vol.50 祝160名突破!安心安全で熱量の高いコミュニティをつくる秘訣
家族や親しい友人との間では、相談したり手助けをしあうことができるのですが、お店の人や第三者には、心理的負債を抱えたくないという文化です。
これは、日本人特有の文化だと思います。わたし自身もそのような文化で生きている気がします。
ペアプロに参加する高いハードルは、心理的なハードルが引き起こしているのかもしれません。
一度乗り越えたハードル
しかしみなさんは、すでに 「ノンプロ研に加入する」 という、もっと高いハードルを乗り越えませんでしたでしょうか。
勇気を振り絞って、コミュニティに参加したということは、メンバーとの関係性は「ソト」ではなく「ウチ」になったはずです。
「ウチ」であるにもかかわらず、ハードルがあるということは、なにか別の理由があるかもしれません。
心理的安全性とは
わたしがとりあげたいのは、「心理的安全性」です。
昔からある研究テーマですが、Googleの「プロジェクトアリストテレス」で注目を浴びました。
もともと心理学では、自分がピラミッドのどの部分にいるか不安なときに、自分が下位にいると思っている人は、上位の人がいるだけで緊張感を持つそうです。
書籍によると、心理的安全性とは、以下のように定義できます。
率直に発言したり、懸念や疑問やアイデアを話したりすることによる対人関係のリスクを、人々が安心して取れる環境のこと
引用元:「恐れのない組織」エイミー・C・エドモンドソン
心理的安全性がなく、対人関係のリスクがある環境では、誰も発言をしたがりません。
心理的安全性のつくるためには、4つの環境が求められます。
- 話しやすさ
- 助けあい
- 挑戦
- 新奇歓迎
ただ、これだけの環境を用意するだけでいいのです。むずかしくなさそうですよね。
自己啓発セミナーの言ってることは正しい?
よくある自己啓発セミナーでは、以下のようなフレーズが散りばめられます。
- 勇気をだして!
- 自分を変えよう!
- 崖から飛び込んでみよう!
でも、そんなことできるひとは、最初から環境に飛び込んでると思いませんか。。。
わたしは、自信もないのに、そんな大怪我するかどうかわからない賭けに出なくていいと思っています。
その為に、何かを買ったり売ったり、お金が必要だとも思いません。
心理的安全性をコミュニティに提供しよう
みなさんは、すでにノンプロ研というコミュニティのメンバーです。
最初は、見ず知らずの他人同士ではありますが、お金を払って接客を受ける事業者と消費者でもなく、「ソト」の関係でもありません。
持ち寄りで成り立っている、 「ウチ」 のメンバーそのものです。
他のメンバーに対して、
- なんでも質問していいですよ
- まちがってもいいですよ
- なんども聞いていいですよ
- 対等な関係ですよ
という気持ちでいましょう。
ペアプロを体験するのは、そのあとでもかまいません。
まとめ
以上で、「ペアプロを体験してみよう」についてお届けしました。
- 気軽に質問してみましょう。得意分野の部活もオススメです。
- ペアプロは一度体験すると、イメージが変わります。
- コミュニティのメンバーの一員であるという自覚をもって、心理的安全性を提供しましょう。
という内容でした。
つたない発表になりましたが、参加いただいたみなさんに感謝申し上げます。
このような貴重な機会をいただきましたことをエネルギーにして、さらなる学習と成長を続けていきたいと思います。
参考資料
- 『Remote Pairing』 ジョー・クトネル 2013
- 『モブプログラミング・ベストプラクティス』マーク・パール 長尾高弘訳 2019
- 『恐れのない組織』 エイミー・C・エドモンドソン
- 『心理的安全性のつくりかた』石井遼介
このシリーズの目次
『あなたのスキルが爆上がりする! ペアプロによるノンプログラマーのお悩み解決』