どうも。Kenny(tsujikenzo)です。このシリーズでは、 「会計freeeのタグ運用を始めよう」 について、全3回でお送りします。今日は最終回です。
前回の振り返り
前回は、メモタグ編をお届けしました。
自由度が高いメモタグ。弊社では、「特定のイベント」「特定の商材」「販売先」の3つを集計していくことにしました。
今回は、取引明細編をお届けします。
今日のアジェンダ
- 複数の明細行
- 販売先ごとに売上原価を管理する
- GASによるタグ付け
複数の明細行
ダミーデータの7月1日の売上ですが、1つの売上(または仕入れ)に対して、それぞれ1つずつの品目、部門、(メモタグは2つ)になっています。
しかし、実際の取引では、多種多品目を取り扱っており、複数の取引が1つにまとまった請求書が発行されているケースも多いと思います。
取引を分ける
そのようなばあい、以下のように取引(売上も仕入れも)を分けることも可能です。
おさらいですが、月次推移レポートでは、タグごとに分析が可能です。
しかしながら、取引を増やしてしまうと、取引件数が増えてしまい、のちのち、事実と異なる分析結果がでることが予想されます。
請求書が分かれていれば、取引も分かれることはあると思いますが、なるべく、1枚の請求書に対して、1つの取引にしたいところです。(これは仕入れも同様です。)
明細行を追加する
そこで、考えられるのが、取引に明細行を追加することです。
売上、仕入れともに取引に明細行を追加して、タグを付与します。
月次推移レポートも、タグごとの分析が可能です。
販売先ごとに売上原価を管理する
このように、明細行を追加し、販売先を特定するメモタグを付与することで、正確な原価計算が可能になります。
例)
- 5月1日に、B卸問屋から日本酒を1万円で仕入れた
- 5月1日に、B卸問屋から夕張メロンを2万円で仕入れた
- 5月1日に、いずみ企画に日本酒を2万円で販売した
- 5月1日に、株式会社ステイゴールドに夕張メロンを2万円で販売した
月次推移レポートで確認すると、5月の株式会社ステイゴールドとの取引は、利益なしだったことが分かります。
パレートの法則
マーケティング用語に、「パレートの法則」というものがあります。
「2:8の法則」とも呼ばれ、全体の内の上位2割の要素が8割の生産性を担っている、という法則のことです。
メモタグに、すべての商品をタグ付けすることは、とてもコストが掛かる割に、得られる効果は低いものです。
管理すべきタグは、上位2割を占めていそうな要素のみでかまわないでしょう。
GASによるタグ付け
タグ運用をはじめると、どうしても付与するタグが増えていき、事務作業のコストが発生してしまいます。
そこで便利なのが、GASによる自動化です。
会計freeeは取引を登録するAPIを公開していますので、スプレッドシートで明細行を含む取引情報を作成し、アップロードするだけで、かんたんにタグの管理ができます。
いちど登録した取引に、後からタグを付けるということはあまりしませんので、取引を登録する時点で、プログラミングによる自動化を行うというわけです。
月次推移レポートの自動出力
同様に、会計freeeでは、試算表レポートを出力するAPIも公開しています。
データベースから、定期的に試算表を出力し、LINEで通知したり、ダッシュボードを作成するということも可能です。
とくに高価なBIツールを導入したり、コンサルを入れる必要はありません。まずは無料でお試ししてみましょう。
まとめ
以上で、「会計freeeのタグ運用を始めよう・取引編細編」をお届けしました。
この連載を執筆するにあたって、ノンプロ研仲間のfreeeloverさんに大変お世話になりました。
心より感謝申し上げます。
次回は、freeeAPIシリーズをお届けします。