どうも。つじけ(tsujikenzo)です。今日は単発で、「おとなの英語学習再チャレンジ #3 リソースと学習の仕組み」についてお届けします。
前回のおさらい
前回は、「ゴール設定」ということで、ゴールを設定して現状分析をしてギャップを埋めるだけ、というお話でした。
今回は、「リソースと学習の仕組み」についてお届けします。
今日のアジェンダ
- リソースとは
- 英語と学習の仕組み
- 学習計画を立てよう
リソースとは
ゴール設定ができて、現状分析をしたら、どんな学習計画を立てるといいのでしょうか。
ネット検索でたどり着いた、最新の(ちょっと高額な)教材を購入したり、英会話教室に飛び込んでみるのもいいでしょう。
しかし、「おとなの英語学習再チャレンジ」としては、まず、リソースを再確認することをオススメします。
リソース(resource)とは、資産・資源と言う意味です。(引用元:広辞苑)
あなたは、学習計画に必要な要素を、リソースとしてすでに持っている可能性が高いのです。
リソースを再確認する
読者の中には、学生時代のテキストや参考書を、大事に保管している人もいるでしょう。
書き写しすぎてノートに新しいテキストができてしまったり、ボロボロになるまで読み込んだり、人生でいちばん英語を勉強した期間です。
過去に勉強したテキストや参考書は、あなたのリソースです。
好きだった海外ドラマや、海外スポーツ中継も、あなたのリソースです。
また、所属していたファンクラブや、通っていたBARなどもリソースになります。
つまり、過去の英語学習に関わっていたすべての要素は、今後の学習のリソースとなり得るのです。
お金を使って新しい教材や環境を準備するより、自分のリソースがどのように学習に使えるのか、整理してみましょう。
リソースを整理する
学習には、行動主義、認知主義、状況主義という、3つの仕組みがあります。
リソースが、3つの仕組みのどれに当てはまるのか、整理することで、学習計画に足りない要素が見えてきます。
次のセクションでは、英語と学習の3つの仕組みをご紹介します。
英語と学習の仕組み
人間が学習するときに起きている、脳の仕組みや現象が、3つあります。
行動主義
刺激と反応の繰り返しによる強化を「行動主義」と、呼びます。
単語帳の反復や、課題を解いていくドリルが、あてはまります。
行動主義による学習は、以下の5つの原理が働きます。
- スモールステップ
- 即フィードバック
- 自己ペース
- 積極的な学習
- 学習者による検証
原則として、刺激となる出題があり、反応として解答をし、なんらかの報酬が出る、という相互の関係になっています。
認知主義
「塩」という単語について、言語の形で記憶に蓄えられた知識を、言語情報と呼びます。
また「冷たい反応を取られることを塩対応という」のような、何かを区別したり分類したり例をあげる技能を、知的技能と呼びます。
このように、学習するときに、記憶することや思考することを分けて考えることを、「認知主義」と呼びます。
研究により、記憶するときには脳のどの辺りを使っているのか、短期記憶が長期記憶になるのはどういったときか、などが明らかにされています。
また、「塩を数えなさい」と命令されたばあい、「サラサラの砂粒では数えられないが、岩塩のような固形なら1個2個と数えられる。」といった、長期記憶に保管されている経験値のことを「スキーマ」と呼びます。
スキーマの獲得は、学習を加速させます。
状況主義
人は、外界からの情報を認知して、行動しています。しかし、コミュニティや部活など、社会的・文化的な状況へ参加することで、認知に制約をかけて行動を決定しています。
コミュニティや部活という環境から学んでいることは、正しい知識やスキルというような学校的なものではなく、暗黙的な知識やコツ、あるいは、ある場所でどうすれば適応的にふるまえるかという学びです。
社会的・文化的な状況に参加し、自分の技能と知識が変化し、まわりと自分の関係が変化し、自分自身の自己理解が変化していく学習を、「状況主義」と呼びます。
学習計画を立てよう
学習の仕組みを3つ理解したところで、リソースを再検討してみましょう。
学習の仕組み | リソース名 |
---|---|
行動主義 | 英単語帳、TOEIC受験 |
認知主義 | 海外ドラマのセリフ回し、スポーツ中継の決まり文句 |
状況主義 | 英会話教室、コミュニティ参加、HUB |
これらのリソースで、学習計画が立てられるかを検討してみましょう。
高額教材を買う前に
リソースが古くなってしまったり、リソースが乏しくて、学習計画を立てられないばあいもあります。
そこで、あなたが最近注目(とくに購入しようと)している新しい英語教材が、どんなリソースになるのかを考えてみましょう。
もし、「英会話を反復練習するレッスンを受けたいな」と思っているなら、あなたに必要なのは、行動主義にもとづくリソースです。
「うまく話せないかもしれないけど、共通する趣味の話題の中にいた方が力がつくな」と思っているなら、あなたに必要なのは、状況主義にもとづくリソースです。
「英語を勉強して本当になにがしたいか、まだモヤモヤしてるなぁ」と思っているなら、あなたにオススメなのは、コーチングです。
「よくわからないけどとりあえずこの教材を購入すれば良さそうだな」と思ってしまうのは危険です。
教材やレッスン費用が高額であればあるほど「詐欺にあった」という感覚になりがちです。
「この教材を購入すれば良さそう」という感覚を、どの学習の仕組みに当てはまるか考えてみましょう。
必要なリソースには投資をする
あなたが求めている学習の仕組みを、新しい英語教材が提供してくれるのであれば、惜しみなく手に入れることをオススメします。
それは、金額の問題ではなく、唯一そのサービスや教材にしか提供できないものであれば、なおさらかもしれません。
足りないものが提供されていることを理解しているのに独学してしまうことは、「時間」という最大のリソースを失うことになりかねません。
そこは、投資をしましょう。
リソースがもたらす学習計画
もし、「海外の人と意思疎通できるようになりたい」というのがゴールなら、TOIEC730点という条件などを設定し、「730点をいつまでに取るのか」という計画を立てるでしょう。
しかし、「海外ボランティアのコミュニティで活躍したい」というのがゴールなら、学習計画も少し変わってきます。
「コミュニティ」というリソースは、状況主義にあたり、「新人として加入する ⇒ 役職をもらう ⇒ 重役になって責任のある活動に関わる」といった計画を立てる必要があります。
すでに持ち合わせているリソース、これから用意するリソースを組み合わせて、いざ、学習計画を立てましょう。
まとめ
以上で、「リソースと学習の仕組み」をお届けしました。
ゴール設定のあとに、学習計画を立てる必要がありますが、リソースは、あなたの学習計画を正しくサポートしてくれます。
おとなの英語学習再チャレンジでは、かならずリソースの再確認を行ってから、学習計画を立てましょう。